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ネパール王国探検記 [ヒマラヤ]

澄み切ったヒマラヤの青い空、9月後半からはネパールでは世界の屋根を眺めながらのトレッキングシーズンがスタートします。雨季が終わってその姿を現すヒマラヤの高峰は降り積もった真っ白な雪に覆われ、輝かんばかりに聳え立っています。(ヒマラヤの高山では雨季である夏に雪が降るのです)

昨年、「ネパール王国」は「ネパール連邦民主共和国」になりました。現在、憲法の制定中で政情の安定には今しばらく時間がかかりそうです。ネパールの面積は、北海道+九州+四国にほぼ等しい程なのですが、その中で多くの民族、言語、宗教が複雑に絡み合っています。ヒマラヤの高所登山ガイドとして有名なシェルパ族をはじめ、険しい山で隔絶され、厳しい自然の中で独自の文化を歩んでいる民族の暮らしは非情に興味深いものがあります。

この本は、今年7月に惜しくも亡くなられた川喜田二郎氏によるネパールの学術的な探検の記録です。氏は、データをカードにして、グループごとに分けて整理し、まとめる「KJ法」の生みの親でもあります。学術的な登山記録を読む度に、その視点に驚かされ、ものを見るとはどういうことなのか、改めて考えさせられます。いかに多くのものを見過ごしてしまっていることか、身の回りにはいかに発見の種があることか。登山にも旅の要素がたくさんあります。学術的なものでなく観光であっても、海外でなく国内であっても、訪れた土地で、そこに住む人とのふれあいは、登山を一層豊かなものにしてくれます。


ネパール王国探検記 (講談社文庫)

ネパール王国探検記 (講談社文庫)

  • 作者: 川喜田 二郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1976
  • メディア: 文庫

「KJ法」に関しては中公新書⇒発想法―創造性開発のために (中公新書 (136))


ネパールは農業国 稲刈りの風景
朝早く女たちはお弁当を持って出かける
むしろを敷いた上で大きな板に稲束を打ち付けて脱穀
収穫を喜ぶ家族の共同作業
残ったわらは杭につながれた牛がグルグルと踏んで山を作る
冬の彼らのごちそうになるのです

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コメント 8

Sanchai

こんにちは。川喜田先生の著作は結構ワクワクして何冊か読みました。古くは1950年代のヒマラヤ探検の話だったりするのですが、今でもそうそう行けないトルボの秘境にまで足を踏み込んでいるんですよね。私は本書に加えて、『鳥葬の国』にも惹かれました。

ネパールトレッキング、羨ましいです。楽しい旅になりますよう。
by Sanchai (2009-09-16 06:20) 

ikuko

北海道+九州+四国・・ネパールって
意外と広いんですね・・。
この本、気になります(>_<)
by ikuko (2009-09-16 13:15) 

yukitan

ネパール王国探検記、面白そうですね。
ネパールへは2008年1月下旬に行きましたが印象が良い国でした。
ポカラのホテルからみたマチャプチャレが綺麗でした。
by yukitan (2009-09-16 14:54) 

hir

神保町の行きつけの飲み屋(秘密)の店長がネパールの人なんです 日本に帰化してるんですけど、、、
そういえば、山の話はしたことなかったなあ、、、
今度行ったら、聞いてみます
訪れた土地で、地元の方と触れあう、、、
旅の醍醐味ですね

by hir (2009-09-16 19:18) 

Bacchus

こんにちは。
KJ法は教わったことがあるのですが、その方の著作ですか〜。
かなり大きさが違いますが、ネパールでも日本の「としゃく」に
似たものを作るんですね(^^
by Bacchus (2009-09-16 20:23) 

montblanc

☆Sanchaiさん
この本も1953年の探検の話ですね。
ガネッシュ・ヒマールを望むカルチェ村が舞台の一つになっています。
本の魅力を伝え切れてないのが心苦しいです。『鳥葬の国』も印象深い一冊。
文化の鏡は、異国の姿を知ると共に、私たちの姿を映し、佇まいを直させるものですね。

☆ikukoさん
その中に世界の屋根と呼ばれるヒマラヤ山脈が屹立しているのです。
ちなみにスイスは九州よりちょっと大きいくらい。
四国+九州<北海道です。

☆yukitanさん
マチャプチャレ「魚のしっぽ」のヒマラヤひだは美しいですね。
この本は、ポカラからアンナプルナをぐるっと回って
再びカトマンズに至る様子が描かれています。

☆hirさん
神保町のヒミツの居酒屋、気になりますねぇ~(^^)
ネパールは赤道直下、ヒマラヤのイメージが強いですが、
ジャングルがあったりして、自然も多様です。

☆Bacchusさん
KJ法、私もまねしてみたことがあります。
ただのメモ帳で終わってしまったような(^^);
稲積は「としゃく」というのですね!
農作業は風景としてみているととても気持ちが安らぎます。
by montblanc (2009-09-16 23:53) 

肉球

ネパールって王国じゃなくなったんだ…
知りませんでした。
王さまってどうしてるんでしょう?

by 肉球 (2009-09-17 00:52) 

montblanc

身分上は一般市民になったらしいですが、
様々な事業をしていてやはり富豪のようです。
by montblanc (2009-09-21 05:43) 

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