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運命を分けたザイル2

2007年の作品、原題は "The beckoning silence" 招き猫は "beckoning cat" ですが、ここで招くのは悲劇なのです。舞台はスイスアルプスのアイガー北壁、アルプスの三大北壁の一つでその登攀の困難さゆえに多くの歴史が刻まれています。グリンデルワルトから登山鉄道に乗ってクライネシャイデックへ、夏には高山植物が咲き乱れる牧歌的な草原なのですが、空を見上げればアイガーの黒い岩壁が空にそびえています。さらに電車はアイガーの山の中をくりぬいたトンネルの中を進んで白銀の世界へ連れて行ってくれます。

前作のペルーアンデスで奇跡的な生還をとげた『運命を分けたザイル』。実話に基づくドキュメンタリータッチの映像に釘づけでした。その事故で登山はもう無理と言われた主人公ですが、困難なリハビリを経て再び山へ向かうのです。彼の登山への情熱をかきたてた本ハインリヒ・ハラーの『白い蜘蛛』、中でもトニー・クルツら4人の若者の悲劇の足取りをたどります。どちらかというとその4人の再現シーンの方がメインのような気がします。九死に一生を得た遭難の後で感じた山への思い、そして本音をポロリ。

この映画を見るためのキーワードを一つ、「アプザイレン(懸垂降下)」。これはロープを使って岩壁や氷壁を降りることです。通常はロープを2つ折にして(あるいはつなげて)、支点に通して降ります。持っているロープには限りがあるのでこれを繰り返すのです。今は下降器と呼ばれるシンプルな道具をロープに通して使うのですが、結び目にひっかかったりすると大変なことになります。


運命を分けたザイル2 [DVD]

運命を分けたザイル2 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
  • メディア: DVD

突然思い出したのですが、同じ場所を舞台にした『アイガー北壁』が封切られていたはずです。
全国ロードショーですが、上映される映画館は限られているようです。
これから上映されるところも少なくありません。
詳細は『アイガー北壁』オフィシャルサイトでご確認ください。
http://www.hokuheki.com/
eiger_240_60.gif
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hir

面白そうなDVD、映画ですね
冒険心が枯れる事はないのですが、体力が、、、と、言う私にもってこいです(笑)
アプザイレンって、私、初めて聞いた言葉だったので調べてみたのですが、8環だとか、、、?
カラビナって、(イタリア製の結構高いヤツを持ってるのですが、、、)本当はこうやって使うのかって初めて知りました(恥)
でも、ロープの結び方って、、、難しそう、、、
by hir (2010-05-27 20:59) 

リュカ

十国峠からハイキングしてきました!!
もう、ふくらはぎが痛すぎて。。。階段が辛いです!(笑)
by リュカ (2010-05-30 14:32) 

montblanc

☆hirさん
はい!エイト環とかATCとかいう下降器を使います。
ロープだけでする「肩がらみ」という方法もありますが
バランスが難しいです。カラビナ活用での代用方法もあります。
カラビナも色んな形がありますね^^
O環とかD環とか変形D環とか安全環付とか・・・
ゲートの閉まる音に快感を感じます^^;
ロープは基本的な結び方数種類だけで応用が利きます。
美しい結び目は強く、ほどきやすい☆

☆リュカさん
えっ?どこの十国峠でしょう?箱根かなぁ?長野かなぁ?
リュカさんのブログにジャ~ンプ!

by montblanc (2010-06-01 05:27) 

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