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凍る体―低体温症の恐怖 [遭難・セルフレスキュー]

低体温症(ハイポサーミア)はあまり聞きなれない言葉かもしれませんが、体温が35℃以下になってしまうことで、一般的な症状としては、判断能力や運動能力の低下が起こり、意識の混濁、呼吸停止にまで陥ります。登山事故の事例も多数あります。しかも寒い冬だけでなく、夏場にも起こりえます。「夏でも凍死する」という事実と低体温症に関する正確な知識は一般登山者にもっと知られていなければならないことです。

症状によって対処方法が異なるので症状に応じての応急手当の正確な知識を知ることが必要です(重度の場合、急激な加温はショックを起こさせたり、意識のない人への飲み物は溺死させたりします。)救助を要請したあとも、医師の診察を受けるまであきらめずに救命の努力が必要です。

まずはなんといっても予防が大切です。ウェアの十分なレイヤリングを考え、悪天候時の行動など過度な疲労に陥らないように気をつけなければなりません。濡れと風も体温を奪いますので対策が必要です。

救急法においても体温を保温するということは重要なことで、山の中で事故が起こった場合でも初期に考慮しなければならない項目の一つです。例えばシートなどを使って地面に接している部分から熱が奪われるのを遮断したり、移動が困難な場合にはツェルトなどでシェルターを使って濡れない風にあたらない工夫をしたりです。

この本はモンブラン山群の登山途中にクレバスに落下し、28℃という低体温症から生還した驚くべき体験に始まり、低体温症とはいかなるものか医学的な解説が書かれています。


凍る体―低体温症の恐怖

凍る体―低体温症の恐怖

  • 作者: 船木 上総
  • 出版社/メーカー: 山と溪谷社
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 単行本



【低体温症を知るための関連リンク】 以下2009/07/17追記

・『道東の山々』医師である作者の「低体温症について」はよくまとめらてれいると思います。
http://www5.ocn.ne.jp/~yoshi515/teitaion.html

・『カヌーアイランド』の「ハイポサーミア(低体温症)の予防とケア」も分かりやすいです。
http://www.jsca.net/kodomo_yume/pages/message/page_009/index.html#top

・北海道の登山用品店『秀岳荘』の「低体温症のページ」も悪くありません。
http://www.asahi-net.or.jp/~su7t-umhr/HOWTOdata/teitaionsyou1.htm

・英語のWikiからリンクしているRick Curtis の「Outdoor Action Guide to Hypothermia And Cold Weather Injuries」も参考になります。
http://www.princeton.edu/~oa/safety/hypocold.shtml

・英語のWiki「hypothermia」も参考になります。
http://en.wikipedia.org/wiki/Hypothermia

日本語のWikiの「低体温症」は内容が不十分だと思われます(2009/07/17現在)。

机上ではなく実際の治療は、症状に応じて治療する必要があり、その判断はは非常に難しいものがあります。 医療機関に救助要請するのはもちろんのことですが、応急手当においても慎重に行う必要があります。 医学的な理論と対処方法については日々進歩していますので、最新の情報を入手するようにしてください。 予防をはじめ、できることを知っておくことは万が一の時に、非常に有効な力となることでしょう。

関連記事(2009/7/20)へのリンクはこちら⇒『低体温症と凍傷』J.A.ウィルカースン 

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RichDole

初心者・女性も安心して楽しめます。(人・ω・) http://www1.tts6.org
by RichDole (2012-10-14 10:14) 

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