『峠』 司馬遼太郎 [山岳小説ほか]
「八十里越」新潟の三条と会津の只見を結ぶこの道は、実際の長さが八里(30km)であるにもかかわらず、その険しさからそう名づけられています。先日の国道の記事を書きながら思い出した国道289号線。この道も今だに歩いて通るのも困難な道なき道です。豪雪地帯で浅草岳、守門岳などの名峰があります。
江戸末期から明治へかけて激動の歴史の中を、己の志をもって生きた長岡藩の河井継之助。戊辰戦争に破れ、長岡から会津への敗走、その道を誰よりも重い足取りで通ったことでしょう。司馬遼太郎さんの『峠』をほぼ10年ぶりに読んでみました。
司馬さんの文章は歯切れがよくて、背筋がぴんと伸びる感じがします。幕末の歴史小説としても読み応えがありますが、生き方について深く考えさせられます。「男子たるものいかに生きるべきか」そんな問いかけを目の前に投げつけられたようで、私は思わずたじろいでしまいました。襟を正し、腰を据えて、何度でも読み返したくなる内容です。
私は峠に立つ時間が好きです。歩いてきた道のりを振り返り、これから進むべき世界が見える場所。さて、この表題とはどこの峠なのだろうか。そんな疑問が頭をもたげました。何度も行き来した「三国峠」?(これは史実ではないそうです)北越戦争の要所となった「榎木峠」?最期に通った「八十八峠」?それとも河井継之助の人生における峠なのか、幕末における江戸と明治の時代の峠なのか・・・
余談ですが、新潟は酒どころ、『米百俵』はきりっとした中にもやさしさを感じます。『朝日山』は凛とした中に深みを感じます。この本を読んだ後からは、長岡の風土を身近に感じることができて、いっそう味わい深いことでしょう。
江戸末期から明治へかけて激動の歴史の中を、己の志をもって生きた長岡藩の河井継之助。戊辰戦争に破れ、長岡から会津への敗走、その道を誰よりも重い足取りで通ったことでしょう。司馬遼太郎さんの『峠』をほぼ10年ぶりに読んでみました。
司馬さんの文章は歯切れがよくて、背筋がぴんと伸びる感じがします。幕末の歴史小説としても読み応えがありますが、生き方について深く考えさせられます。「男子たるものいかに生きるべきか」そんな問いかけを目の前に投げつけられたようで、私は思わずたじろいでしまいました。襟を正し、腰を据えて、何度でも読み返したくなる内容です。
私は峠に立つ時間が好きです。歩いてきた道のりを振り返り、これから進むべき世界が見える場所。さて、この表題とはどこの峠なのだろうか。そんな疑問が頭をもたげました。何度も行き来した「三国峠」?(これは史実ではないそうです)北越戦争の要所となった「榎木峠」?最期に通った「八十八峠」?それとも河井継之助の人生における峠なのか、幕末における江戸と明治の時代の峠なのか・・・
余談ですが、新潟は酒どころ、『米百俵』はきりっとした中にもやさしさを感じます。『朝日山』は凛とした中に深みを感じます。この本を読んだ後からは、長岡の風土を身近に感じることができて、いっそう味わい深いことでしょう。
浅草岳(1585m)南面は雪崩れのために山が侵食されて険しい崖になっている。 麓には只見線が小出と会津若松をつないでいる。4月ごろ、まだまだ雪が多い。 |
北面には対称的になだらかな斜面が広がっている。頂上から早坂尾根。 麓には見事なブナの原生林が広がっている。八十里越はこちら側。 |
襟を正す…最近の私に必要な事です^^;
最後の写真ではスキー板を履いてますが、
montblancさんは山スキーもされるんでしょうか。
白銀の世界、素敵ですね♪
by mikanchan (2009-07-29 18:35)
司馬先生の本は、坂の上の雲を読みました
歴史小説の神様ですね
峠と言う作品もなかなか面白そうですね
朝日山って聞いた事あると思ったら、久保田の蔵元ですね 久保田ばかりで、朝日山って飲んだ事無いです、、、
是非、飲んでみなくては!
by hir (2009-07-29 18:40)
清涼感一杯の写真に、目が覚めるようです。
司馬作品、最近読みまくりです。
仰る通り、背筋ピーン!ですね。
by peco (2009-07-29 20:28)
へmikanchanさん
私は正す襟もないTシャツ状態?
白銀の世界、mikanchanさんに負けず劣らずジャンキーかもしれません(^^)
へhirさん
まさに先生、神様の域です!(さん付けで失礼しました)
新潟ではよく出回っていますが、他ではあまりみかけませんね。
へpecoさん
ちょっとは涼しくなりましたでしょうか?
グイグイ引きこまれる物語の面白さもさることながら、
歴史について、自分について、世界について、
本当に深く考えさせられます。
by montblanc (2009-07-29 22:07)
司馬遼太郎さんの作品は昔、「竜馬が行く」など数冊読みましたが「峠」は読んでいません。
読んでみたくなりました。
by yukitan (2009-07-29 22:37)
峠は、ドライブで行けるようなところにしか
行ったことがないです^^;
車で行くと、とくに感慨深いものがなく、景色をみて
「きれいーーー!」と言っているだけですが、
自分の足で上った峠は、全く違ったものを見せてくれるのだろうなと思いました。
by リュカ (2009-07-29 22:43)
読んでいない人はボキャブラリーが乏しいといわれますが、
本は全然読まないので、本当に語彙が少ないです。
すばらしいお写真を撮られますね。v
by にごろ (2009-07-30 00:23)
ヘyukitanさん
自分の足で歩いて書いているところがすごいなぁと思います。
旅することが楽しくなりそうです。
私は『街道をゆく』シリーズとか読んでみたいと思っています。
へリュカさん
車で行く峠も思い出深いところがいくつかあります。
歴史的な峠で時代に思いをはせるのもまた面白そうです、
自分の足で歩くと峠を過ぎれば下り道だったりするので楽チンだったり(^^)
へにごろさん
言葉を選ぶのってほんと難しいと思います。
ピタッとはまる言葉を探したいと思いつつも、
ありあわせで曖昧にしてしまったりします。恐縮しきりです。
頂いたコメントから言葉を発見することも!
写真、ありがとうございます。誰が撮っても絵になるかもです(^^)
by montblanc (2009-07-31 13:29)