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静人日記 [山岳小説ほか]

今年、直木賞を獲った天童荒太さんの『悼む人』。見ず知らずの人の死を悼みながら放浪する主人公。その中で綴った日記という設定です。はっきり言ってとても感想を書くのが難しい内容です。新聞に掲載される死亡に関する記事をスクラップしたような・・・それをまとめて読むと思うと気が滅入ります。

2008年(平成20年)に日本で亡くなった方は114万3000人、うち悪性新生物と心疾患と脳血管疾患で5割を超えます。交通事故が5155人、山での遭難死および行方不明者が281人です。1日にすると3000人余の人が亡くなっているのです。この数字を前にまた私は固まってしまいます。

「悼むことは覚えていること」という作者は単に死を嘆いているわけではなく、故人の生や自分の感情の揺らめきに光を当てて浮かびあがらせてるともいえるのですが・・・どうにも重いテーマです。

都会の雑踏の中で見ず知らずの人の人生が行き交います。山の中で一人ぼっちの自分に向き合います。人と人とのつながりってなんなのだろうとまた思いにふけってしまいます。ブログを通じてのつながりもなんだふわふわしていて心地よいです。感謝しています。

最後に昨年の出生数をつけ加えたいと思います。109万2000人。喜びの数より、悲しみの数がちょっと多いような気がしますが、生まれてくる命は希望の光です。


静人日記

静人日記

  • 作者: 天童 荒太
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/11/26
  • メディア: 単行本



nice!(16)  コメント(7) 
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コメント 7

hir

現代人がきちんと考えなければならないテーマのようですね
こんな時代だから、なおさらキチンと考えなければいけないのかもしれませんね、、、
希望の光、、、素敵な言葉です
by hir (2009-12-14 21:27) 

qoo2qoo

ご訪問ありがとうございましたo(´▽`*)/
難しい内容の本ですね><;
※ペコちゃんクリスマスの衣装ですか!凄いですね♪
by qoo2qoo (2009-12-14 22:46) 

リュカ

一日3000人ですか・・・人間も動物も
生まれてくる命は大事にしたいですよね。
by リュカ (2009-12-14 23:13) 

にゃんたま

生まれ出てくる環境を良いものにしたいですね。

by にゃんたま (2009-12-15 07:33) 

ikuko

天童荒太さんの『悼む人』、読んでみたいけど、
読み始める前に、気合いが入りそう。。
天童さんの作品「永遠の仔」は読みました。
by ikuko (2009-12-15 12:24) 

montblanc

☆hirさん
誰にでもやってくる問題ですね。
もちろん自分のできる範囲でいいのではないかと思います。

☆qoo2qooさん
私のアイコンもサンタバージョンにしてみました。
あまり難しく考えなくても、笑って泣いて過ごせればそれでいいのかもです。

☆リュカさん
命は守るものなのかもしれませんね。
地球がいつまでも輝いていられるために・・・

☆にゃんたまさん
おっしゃるとおりです。
悲しいこともあるかもしれないけど、生きる喜びを感じることができればと。

☆ikukoさん
『永遠の仔』私も読みました(^^)
力を抜いて読んだら押し流されてしまうのかな?
でも本に向き合う姿勢ってあるのかもしれません。
by montblanc (2009-12-16 07:09) 

黄昏の線路

なるほど、考えさせられますね・・・・。1日3000人余とは驚きでした。
今度、本を手に取ってみたいと思います。
by 黄昏の線路 (2009-12-19 13:54) 

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