空白の五マイル

朝夕めっきり寒くなってきました。身震いしながら、遠くの山は初雪降ったかなぁなんて思いをはせています。さらに遥か遠く、シベリア寒気団をさえぎるヒマラヤ山脈の麓、チベットにグランドキャニオンより大きいという、ツアンポー渓谷があると言います。伝説の川に幻の滝があるらしい。なんともロマンチックなお話です。

つい最近までその全容を知られなった渓谷の空白部分、人跡未踏のその地に滝はあるのか？その謎に挑み、探検したのはなんと日本の若者だったのです。夢とロマンを求めるのは、熱い情熱に他なりません。
探検を介してしか、人生が成り立たない、そんな心意気もなんとなく分かるような気がします。

過去に、いくつかの探検家がその姿をつきとめようと挑みましたが、厳しい自然に阻まれ、さらに謎は深まるばかりでした。シャングリラと呼ばれる理想郷とされる一方、現実はとてつもなく厳しかったのです。著者の角端さんも命がけの脱出劇、探検を通しての気持ちの高まりだけでなく、失敗を冷静に省みる視点も秀逸です。「旅の準備というものは、どうしていつもぎりぎりまでかかってしまうのだろう。」プロローグの一文を読んだだけで私はすっかり引き込まれてしまいました。

空白の五マイル　チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む

• 作者: 角幡 唯介
• 出版社/メーカー: 集英社
• 発売日: 2010/11/17
• メディア: 単行本

タグ：ツアンポー峡谷 チベット 探検

コメント 4

人跡未踏の地気になりますが、やはり命がけなんですね。
それでも惹かれるものがそこにはあるんですね！
by 肉球 (2010-12-12 03:35) 

これだけ情報が流れる時代に、まだ、前人未到なんて土地があるのかと思うとわくわくしますね
バージンスノーを踏み出す一歩のような、、、
そうそう、草津辺りまで雪がつもり始めましたね
by hir (2010-12-12 09:32) 

まだ未踏の地があるなんて・・・
今まで誰かが訪れたかもしれないですが、告知されなかったかも・・
なんだか、インディージョーンズの世界のようです。
by Jetstream777 (2010-12-12 11:43) 

☆肉球さん
衛星写真にもうつらない何か、とても気になります＾＾
多くの探検家たちの挑戦を退けてきたわけですから、より闘志が燃えそうです。

☆hirさん
そうでしょうそうでしょう＾＾
バージンスノーに一歩足を踏み出す！ステキすぎる表現です。
草津まで雪が来ましたかぁ♪根雪になって早く雪山で遊ぶのが楽しみです。

☆Jetstream777さん
史実には残らなかった人間の足跡もたくさんあるのでしょうね＾＾
うさぎの足跡とか餌らしきものがない雪山の山頂でみかけると
いったい彼らは何しにきたのだろうかと考えたくなります。
by montblanc (2010-12-13 23:58)