とけてゆく地球

朝に夕に日が長くなり、日中は汗ばむような陽気。夏はもうそこまでやってきているようです。コップで氷がとける音を聴きながら、はるか遠い氷河のことを思い浮かべてみました。

「ナショナル ジオグラフィック」誌での特集をきっかけに撮り続けられた世界各地の氷河や氷床の写真が満載です。地球の色をあらわしているかのような深い青、太古の空気が現代に甦る瞬間の透き通った氷、流れる氷が裂けたり隆起したり静かだけどダイナミックな造形・・・

氷がなくなってしまうと本当のところはどうなってしまうのでしょうか？冷たい麦茶が飲めなくなってしまうだけではなさそうです。科学的見解や社会的取り組みについての考察も重たいものがあります。日本には氷河がなくてあまり馴染みのないものですが、私たちもその氷をとかしているのかもしれません。そして今すぐにできることもたくさんありそうです。様々な論議がありますが、写真で見れば何が起こっているか一目稜線です。地球の氷は毎年確実に急速なスピードでとけているのです。

この本には掲載されていませんでしたが、南極のペンギンたちの生活にも異変があるようで気になります。

とけてゆく地球 (ナショナル・ジオグラフィック)

• 作者: ジェームズ・バローグ著
• 出版社/メーカー: 日経ナショナルジオグラフィック社
• 発売日: 2009/06/17
• メディア: 単行本

☆★☆おまけの写真☆★☆

タグ：氷河 氷床 地球

キリマンジャロの雪が消えていく

キリマンジャロと言えば、コーヒーではなく、アフリカ大陸で一番高い山。標高5,895m。その山の頂には、ミルクならぬ、白い氷河があるのです。ヘミングウェイの小説でも知られるこの山の雪が、温暖化の影響であと10年から20年の間になくなってしまうというニュースが大きく取り上げられました。

アフリカと言えば、ゾウやキリンやライオンなど野生動物の故郷です。そして人類の発祥の地とも言われます。雄大な自然、日本から離れたその土地で何が起こっているのか？この本はアフリカを知るための入門書とも言える充実した内容です。

アフリカの自然の素晴らしさは、危機的状況にあるようです。百獣の王のライオンをはじめ、野生動物たちも多く犠牲になっています。進む砂漠化、爆発的に増えていく人口に対して不足する食料。10億人のうちの3人に1人が栄養不足であることは想像を絶します。エイズによる死者も深刻です。

私の友人の数人はキリマンジャロに登頂しましたが、５日程度のツアーがあるそうです。もちろん高度が高いので高山病対策が必要になります。雪のなくなった頂からアフリカ大陸をみたら、そこには何が見えてくるのでしょうか？

キリマンジャロの雪が消えていく―アフリカ環境報告 (岩波新書)

• 作者: 石 弘之
• 出版社/メーカー: 岩波書店
• 発売日: 2009/09
• メディア: 新書

タグ：アフリカ 温暖化 キリマンジャロ

地球の授業

ブログでみかけて気になっていた本。『地球（ほし）の授業』。原題は「空と命のコラム」でフランスのラジオコラムが元になっています。著者はカナダの宇宙物理学者。地球という視点にたったスケールの大きなお話です。

「かくも人間は生きるものか？」というフランスの詩人アラゴンの言葉で始まります。よくも悪くも人類が地球に与える影響は計りしれません。その一つ一つを取り上げて子どもたちにも分かるように書かれた内容です。地球の人口、私が子どもの頃には50億人になったのが大きなニュースですが、1999年には60億人を越え、現在は70億人にせまろうとしています。

エコや環境という言葉も頻繁に耳にするようになりました。ビジネスも教育も政治も環境という言葉は緊急課題です。地球の資源や環境に限界があること。今地球はどういう状況にあるのか、どこへ向かって進んでいくのか、私たちにできることはなんなのか。改めて問いかけなければならないようです。

宇宙に青く輝く地球もよくみれば病んでいるようです。人類にとっても共に住む他の生物にとっても望ましくない方向に向かっていると思われる環境問題。人類は望ましい方向にする力も持っていると信じたいです。地球は「希望の星」であってほしいと願ってやみません・・・。

地球(ほし)の授業

• 作者: ユベール リーヴズ
• 出版社/メーカー: 飛鳥新社
• 発売日: 2009/08
• メディア: 単行本

タグ：地球 環境問題 人口 エコ