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火天の城 [山の本いろいろ]

安土城、かの織田信長が天下統一のシンボルとして琵琶湖のほとりの安土山に建てた居城。赤瓦の絢爛豪華な五層の天主(天守)、意匠をこらした内部の構造、本を読み進めるにつれて今はなき城の様子が鮮やかに蘇ります。建築を手がけた人たちの視点からのストーリーという視点が面白く、その仕事ぶりに熱くなります。

まずは土地を選ぶところから。そして石垣の石を運び、はるばる木曽から柱を運びます。現代のように重機や機械などありせんから、すべては人の手によるもの。しかも施主は信長公なのでどれほどの無理な注文があったことか・・・完成形に目を奪われがちな歴史的建造物、それまでのプロセスに思いを馳せると、どれもが一大プロジェクトであることを改めて感じます。

「―木を組むのが番匠(大工)の仕事で、人を組むのが棟梁の仕事。」
その棟梁(岡部又右衛門)を演じる西田敏行さんらをキャストに映画が公開されています。
※下のバナーは映画の公式サイトにリンクしてます。
火天の城

安土城址のある安土山は標高198m、歴史をたどるハイキングコースもあるようです。滋賀県は水と山が美しいところ、機会があれば訪れてゆっくり散策してみたいものです。

火天の城 (文春文庫)

火天の城 (文春文庫)

  • 作者: 山本 兼一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2007/06
  • メディア: 文庫


nice!(26)  コメント(8) 
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ikuko

安土城と言えば・・・
ムスメが「安土城を作る」(ミニチュアのお城のキット)を
欲しがって、しばらく定期購読してたんですが、挫折。
全100巻のうち、33巻あたりで、頓挫したので、
ものすごく中途半端で(^_^;)
サイフは痛いし・・・反省です(>_<)
by ikuko (2009-10-28 09:50) 

にごろ

残っていたら、荘厳的で壮観的したでしょうね。◇_◇
階段には、とり急いだのか、石仏が埋め込まれてるようですね。
by にごろ (2009-10-28 21:02) 

黄昏の線路

お城好きな私としては、いつもお城を訪れるたびに、
その当時の人々のご苦労とか、一方でその技術の高さに驚かされます。
壮大なストーリーが繰り広げられているんですよね。
by 黄昏の線路 (2009-10-28 21:57) 

montblanc

☆ikukoさん
1/90スケールの巨大な安土城の天守閣。完成までには2年以上。
クラフトマガジンのデアゴスティーニ、なんとも壮大ですね!
ムスメさんの視点、いつも感心してしまいます。
何かを組み立てるのは根気のいることですね。
今回の試みも何かの礎石になることを祈っています(^^)

☆にごろさん
石仏の話は小説には出てきませんでした。
木材は、近隣の寺などを取り壊して摂取したとか。
石仏や墓石、使えるものなら何でもだったのでしょうか?
絢爛なお城の陰には多くの犠牲もあったようです。
その中で「石の心」や「木の心」を知ろうとする匠の姿には心動かされます。

☆黄昏の線路さん
黄昏の線路さんとかにお城のお話を伺ったら、さぞかし楽しそうです。
堅牢であることが使命のお城には最高の技術が使われていますね。
高い技術はやはり美しいものです。
「お城を作ったのは誰?」と聞かれれば「大工さん」と答えたくなります。

by montblanc (2009-10-28 22:34) 

リュカ

滋賀県にいったとき、車窓から安土山を見ました。
ここに城があったのか~って思ったら
感慨深かったです。
by リュカ (2009-10-28 22:35) 

Bacchus

こんにちは。
安土城といえば、「功名が辻」(大河ドラマ)の
信長(舘ひろし)を思い浮かべてしまいます。
とても恐ろしい人だったので、あのような感じだったら
下で働いた人はとても大変だったでしょうね(^^;
by Bacchus (2009-10-28 22:50) 

肉球

安土城、現在に残ってないのが残念です。
行ったことがないので一度訪れてみたいです。


by 肉球 (2009-10-29 01:27) 

montblanc

☆リュカさん
私は気づかずに通りすぎていました(^^);
ひょっとしたら新幹線の車窓からも見えるのかな?
歴史に思いをはせながら、鮒ずしと日本酒も美味しいですね~(^^)

☆Bacchusさん
大河ドラマは子どもの頃にみた「太閤記」が印象深いです。
あ、それと草刈正雄の「真田太平記」も!(これは歴史ドラマだったかな?)
信長、秀吉、家康、いつも主役になる人物たちですが、
職人や商人や農民などから視点を変えて見る歴史も面白そうです。

☆肉球さん
石垣だけが残された城、元の山に戻ってしまった城、いろいろですね~
目を閉じれば在りし日の城が浮かんでくるような小説でした(^^)
琵琶湖一周なんてのも楽しいかもしれません☆
by montblanc (2009-10-30 05:32) 

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