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雪国 [山岳小説ほか]

「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。」あまりにも有名な冒頭の一節。しかし、その先のあらすじがおぼろげです。立春の前の節分の日に読み返してみました。

内容を覚えていないのもそのはずです。愛や雪国のこと、ちっとも知らなかったのですから・・・今あらためて読んでみると雪国の美しさが際立っています。スキーや山の話も盛りだくさんなのが意外でした。しかもスキーが「スキイ」と書かれているだけで感じ入ってしまいます。山への誘いの書と言ってもいいくらいです。目を閉じると雪国の情景ばかりが浮かんできます。

なぜ山へ登るのか?なぜ人を愛するのか?どこかでつながっているのかもしれないなぁと思いました。愛も山登りも徒労に過ぎないなんて一節があると切なくなってしまいますが・・・

お話は一人の男性(島村)が見る二人の女性(駒子と葉子)のお話です。最後に火事のシーンが出てきます。雪の中での炎や人の心の動きがとても印象的です。人の命は時には激しく、時には静かにゆらめく炎のようなものなのかもしれません。


雪国 (新潮文庫 (か-1-1))

雪国 (新潮文庫 (か-1-1))

  • 作者: 川端 康成
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1986/07
  • メディア: 文庫



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コメント 4

雉虎堂

家の中のどこかにあるはずです。
10代のころに読んでピンとこなかったのです。
今ならまた違った感想を持てるかな。
読んでみたくなりました(*^_^*)
by 雉虎堂 (2010-02-04 21:04) 

リュカ

教科書に載っていた部分しか覚えてない・・・
その記憶すらあやふやになってます(笑)
全部は読んだことないので、こんどチャレンジしてみます^^
現在、2010年宇宙の旅を読み返し中♪
やっぱり面白いーーーっ
by リュカ (2010-02-04 22:39) 

mikanchan

恥ずかしながら「雪国」は冒頭の部分しか読んだ事がないです^^;
サクっと読めてしまう自己啓発本もいいですが、
たまには日本文学を読んでみるのもいいですね。
コレは近いうちに読んでみます^^
by mikanchan (2010-02-05 23:11) 

montblanc

☆雉虎堂さん
海外に紹介されている数少ない日本文学の一つですね。
本を通じていろいろな世界を体験できるのはすばらしいことですが、
舞台となっている場所を訪れたり、同じ状況を体験したりすると
本も一層感じ方が変わってくるようです。

☆リュカさん
私は手元に『幼年期の終り』がスタンバっています。
『2061』とか『3001』も気になっています。
果てしない宇宙を身近に感じさせてくれる本、楽しいです(^^)

☆mikanchanさん
日本文学は人によって好みが大きく異なりますね(^^);
登場する人や、自然や、街並みに美しさを感じるものが個人的には好きです。
心洗われるような一冊に出会いたいと願ってやみません(^^)

by montblanc (2010-02-07 23:35) 

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