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風待ちのひと 四十九日のレシピ [一般書]

本を携えて大きな病院の付き添いへ。朝一で受付したのに誰の名前も呼ばれない。急患対応で診察開始が遅れているという。名前を呼ばれたときには一冊読み終えて、時計の針はお昼を回っていた。

『風まちのひと』は、紀州の山が海に落ち込む小さな町が舞台。こんなところが故郷だったらいいなと思わず憧れてしまうようなところ。「襟足よければ、すべてよし」と鮮やかにハサミを操るラッキーガール?のペコちゃんが主人公。ちょっと伸びすぎた自分の髪が気になってしまう。時には切なく、時には可笑しく、人間模様が描かれていて、あちこちに懐かしさを感じる構成。道ならぬ恋も描かれているが、音楽やおいしそうな食べ物にあふれていて、心を元気にしてくれる本。クラシック音楽とお友達になってみたいとも感じた。

同じ著者のもう一冊の本『四十九日のレシピ』は患者の手に。長い待ち時間に具合が悪くならないものかと心配だったが、ときには笑いをこらえるほどでよい薬になったよう?午後は検査のフルコース、私はそちらを読み始める。

亡くなった妻が気落ちしているであろう夫や娘に遺した一冊のノート、しかも金髪ギャルのお手伝いさんつきで!そして四十九日には大宴会して欲しいとの遺言。前作も感じたのだが、日常生活に鮮やかな彩りを与えてくれる一冊。そして人生に光を与えてくれるといっても過言ではないかもしれない。その秘密はありふれたごはんであったり、100円ショップのグッズであったり、簡単なお掃除であったり・・・人と人との手が触れ合うところ、心が触れ合うところに光り輝くものが見え隠れした。



風待ちのひと

風待ちのひと

  • 作者: 伊吹 有喜
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2009/06/19
  • メディア: 単行本



四十九日のレシピ

四十九日のレシピ

  • 作者: 伊吹有喜
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2010/02/16
  • メディア: 単行本


バラのきれいな季節になってきました
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コメント 4

hir

日常生活に彩りを与えてくれる、、、いいですねえ
その言葉だけで、感動です
今度、アイコンの熊さんに薔薇をもたせては!?(気障かな?(笑))
by hir (2010-06-01 18:04) 

montblanc

☆hirさん
バラですか!
アジサイの咲く前に、さっそく検討してみます^^
メインもいつまでも冬のデザインではと思うのですが・・・
by montblanc (2010-06-04 20:46) 

mint_tea

montblancさんの文章を読むとすぐ、その本を読みたくなってしまいます。
病院付き添いで読破した本は数知れず…。
紀州の海が落ちるような町も、父母の故郷のようです。
by mint_tea (2010-06-21 20:04) 

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