SSブログ
遭難・セルフレスキュー ブログトップ
前の3件 | 次の3件

奇跡の6日間 [遭難・セルフレスキュー]

著者のアーロンはアメリカのアウトドアマン。登山にカヌーに自転車に山スキーにありとあらゆる手段で自然の中を駆け回っています。しかし、表紙の写真をよく見ると右手は義手です。しかもピッケルを装着しているではありませんか!一体右手はどうしてしまったのでしょうか?

それは、2003年4月のこと。ユタ州のキャニオン(渓谷)で一人探索をしている途中、右手を大岩石に挟まれて身動きがとれなくなってしまうという大事故に遭ってしまったのです。砂漠の中の岩の間でわずかな水と食料しかない絶体絶命の状況の中で彼はいかに行動したのか。そして最後に下した決断は・・・・。血を見るのが弱い方にはオススメできません。かく言う私も苦手なのでクライマックスの部分は読み飛ばさざるを得ませんでした。

奇跡の生還を支えたものは何だったのか。あ、それと一人で山へ出かけるときは誰かに計画を告げておくべきです。登山計画書とても大切です。広大な自然の中で人の生命の息吹はか弱くもあり、力強くもあります。
「127時間」という題で映画化されました。


アーロン・ラルストン 奇跡の6日間

アーロン・ラルストン 奇跡の6日間

  • 作者: アーロン ラルストン
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/05
  • メディア: 単行本



nice!(25)  コメント(4) 
共通テーマ:

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか [遭難・セルフレスキュー]

山ガールがテレビ各社ニュース特集で取り上げられ、富士登山は25万人を超えたという今年の夏山。昨年の7月、北海道のトムラウシ山で起こった18人のツアー登山の遭難事故。8人もの死者を出して大きく報道されたのにも関わらず、今年もまた、遭難事故があとをたちません。

長年、遭難事故の取材を続けて警鐘を鳴らしてきた著者をもってしても、遭難事故は他人事でしかないのかという思いを抱いてしまう現状。それでもなお事故を教訓とすべく書かれた一冊です。生存者の証言を元に知るその日の様子はあまりにも悲惨です。激しい風雨の中で寒さに震え、力尽きて次々と倒れていく参加者。本来は行動を共にする仲間が、散り散りになっていきます。自分の命を守るにも精一杯な中で、よろめく人に肩をかし、励まし、助けられなかったことを悔やむ証言に胸がつまります。

章を別にして、同行したガイドの証言。気象遭難、低体温症、運動生理学に関して各専門家からの検証。ツアー登山に関する考察がまとめられています。中でも「低体温症」については登山者すべてが知っておかなければなりません。知識だけでなく、必要な装備や行動など対策と予防が肝心です。

自然を相手にする登山は厳しさもあるけれど、やっぱり素晴らしいもの。山へ向かう人には「気をつけて、いってらっしゃい」と送り出したいし、笑顔で「おかえり」と迎えてあげたいものです。私が心がけているのは2つ。「無理をしない」ということと「山をナメない」ということ。自分を知り、山を知ることで危機的状況を回避してきたような気がします。

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

  • 作者: 羽根田治
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2010/07/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



nice!(26)  コメント(6) 
共通テーマ:

山の遭難 [遭難・セルフレスキュー]

登山はいつも危険と隣り合わせです。大自然を満喫できる登山は素晴らしいものですが、厳しさもあります。山岳遭難の記事を書いたら第一人者とも言える羽根田治氏の新書です。遭難や救助について徹底的に取材し、ライフワークのように取り組まれています。そこまでして警鐘を鳴らし続けるのは、山での悲しい事故をなくしたい、生きて帰ってほしいという氏の願いがあるように思えます。

平成20年中の山岳遭難者数は1933人うち死者行方不明者が281人(警察庁発表資料による)登山者は6割強のようですが、残念なことに過去最高の数字となっています。遭難のニュースを聞くと言い知れぬ緊張が走ります。たとえ無事に救助されたとしても、「あぁ」よかった」と安堵するよりも、「なぜ?、どうして?」ともやもやしてしまいます。

この本は遭難の小史から始まって、統計から事故を分析し、救助の現場をレポし、現代の登山者の実情に深くメスを入れています。救助する方も命がけです、最近では携帯電話から安易に救助要請するケースが増えています。万が一の時には誰かが助けに来てくれる。そう思うのは大間違いです。まずは「自分の命は自分で守ること」が基本だと思います。遭難しないために個人ができること、しなければならないことはたくさんあるのです。無事に山から下りてきて、また山へ向かうために、登山者の襟を正させる必読の一冊です。



山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書)

山の遭難―あなたの山登りは大丈夫か (平凡社新書)

  • 作者: 羽根田 治
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 新書


タグ:遭難 救助
nice!(30)  コメント(10) 
共通テーマ:
ブログ村へ
前の3件 | 次の3件 遭難・セルフレスキュー ブログトップ
   最新記事のまとめ読みと
   So-net以外のRSS登録▽

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。