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南極点制覇 [アンデス・その他世界]

日本列島、寒い日が続きます。南極のことを考えれば、より寒く感じるか、南極に比べれば暖かいと感じるか?南極の冒険の物語は、私にとって寒さを忘れてしまうくらい面白いものです。日本にスキー技術が伝わった、ちょうど100年前のこの年(1911年)ノルウェーのアムンゼン率いる一行は、犬ぞりとスキーを用いて南極探検に挑み、人類で始めて南極点に到達するのです。

ヴァイキングに由来する優れた造船技術と航海術、ノルウェーから南極までの道のりは帆船「フラム号」が活躍します。船の上でも南極の氷の上でも各人が自分の役割を果たし、目的へと一丸となって進むのです。衣食住そして本や酒、様々な装備も先人たちの教訓を踏まえて周到に用意されたもの。

「スキーを履いて生まれる」というノルウェー人、移動の手段としてのスキーは生活に根ざしたものです。大海原に飛び出し、未知の世界を探検する彼らのスピリットは、南極にノルウェー語の地名となって刻まれています。

『南極点』 (朝日文庫)も同じ内容ですが、3倍ぐらい厚いです。(個人的には好みです。)どちらも再販が望まれます。


南極点征服 (中公文庫BIBLIO)

南極点征服 (中公文庫BIBLIO)

  • 作者: ロアルド アムンゼン
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2002/12
  • メディア: 文庫




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タロ・ジロは生きていた―南極・カラフト犬物語 [アンデス・その他世界]

今日1月14日は「愛と希望と勇気の日」だそうです。1959年(昭和34年)のこの日、タロとジロの生存が確認されたことに由来するとか。映画の『南極物語』、思い出すだけで胸が熱くなります。でも冒頭の命名にはなんかピンときません。憤りとかやるせなさとか、感動の根本にあったものは何だったのだろうかと思い関連する本を読んでみました。

まずはタイトルの、犬係の菊池徹氏監修の子供向けの本ですが、冒頭の子供たちに向けた言葉が清々しいです。「南極に行くためには、健康な体と何ものにも負けない強い心をもつこと。」タロをがんばりやさん、ジロをちゃっかりものと評するなど、犬への愛情が全編に通じて感じられます。『南極の犬ぞり』 という本がベースになっているようですが、こちらは本格犬ぞり探検の参考書になる内容です。

もう一人の犬係、北村泰一氏の『カラフト犬物語』。この本は写実的で力強い挿絵がふんだんに用いられた読み物です。プロジェクトとしての第一次南極越冬隊の様子を知ることができます。何といっても1年後に犬たちに再会した様子が感動的です。「トゥ、トゥ、トゥ」と犬ぞりのかけ声が聞こえてくるようです。

最後に第一次南極越冬隊の隊長である西堀栄三郎氏の『南極越冬記』 (岩波新書 青版)。隊長という立場からの記録ではなく、より自由に南極越冬隊の様子を綴った手記です。「能率協会会長」のあだ名も持つ氏の言によると能率とは「目的を達しながら要領よく手を抜くこと」だそうです。南極の自然について、各々の研究について、基地での暮らしについて、なんと広く深く細やかな視線を持った探検家なのだろうかと嘆息しました。

そうそう、みんなの人気者だった猫の「たけし」のことも気になります。机の上に両手と顔を乗せて目をつむった「気をつけ」の姿勢はなんとも愛嬌があります。そしてカラフト犬たちも南極越冬隊の大切な一員であたことを強く確信しました。でもやっぱり人間の都合だったのかなぁ・・・犬たちはあまりにも人間に忠実です。複雑な心境です。

タロ・ジロは生きていた―南極・カラフト犬物語 (ジュニア・ノンフィクションシリーズ)

タロ・ジロは生きていた―南極・カラフト犬物語 (ジュニア・ノンフィクションシリーズ)

  • 作者: 藤原 一生
  • 出版社/メーカー: 銀の鈴社
  • 発売日: 2004/04
  • メディア: 単行本


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アンデスの奇蹟 [アンデス・その他世界]

ふと立ち寄った本屋さんの山の本のコーナーに並んでいました。
イーサン・ホーク主演の『生きてこそ』をご覧になった方もいるかと思いますが、1972年にアンデス山中に墜落した飛行機の乗客が救助されるまでの72日間を生き抜いた、実話に基づいた壮絶なサバイバルです。カニバリズムの是非よりも、同じ状況を共にする人たちの心情や行動、そして何よりも命の重さを感じる内容です。
この本は、生還者の一人ナンド・パラードが筆をとった世界的ベストセラーです。墜落機のある雪山から、仲間の期待を背負って、人里まで救助を求めに行き救助されるまでの克明な階層が綴られています。ここでも生きることの意志が伝わってきます。


アンデスの奇蹟

アンデスの奇蹟

  • 作者: ナンド・パラード+ヴィンス・ラウス
  • 出版社/メーカー: 山と渓谷社
  • 発売日: 2009/03/13
  • メディア: 単行本



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